改めましてのご挨拶と、家を「閉じる」ことに向き合う仕事について。

2023.04.27

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お久しぶりです。元インターン生の木津谷亜美(きつやあみ)です。

実は、4月から、ひっそりと陸前高田市に移住しました。そして、高田暮舎の「お家の未来相談窓口」スタッフとして、働いています。

 

2022年夏に、高田暮舎のインターン生として、大学最後の夏休みを高田で過ごしました。その後、インターンシップ期間中に宿泊していた「山猫堂」が、3月に古本屋としてオープンするということで、引き続きお手伝いさせてもらっていました。そのうちに、山猫堂のワクワク感と、高田の土地や人にすっかり魅了されて、新卒で高田暮舎に入社し、移住することに決めました!

 

移住に踏み切れたのは、インターンシップ中に出会った、たくさんの方がくれた温かさのおかげでした。私を「若者」ではなく、一人の「木津谷亜美」という人間として、内面を見てくれる人がとっても多くて。一緒に働くメンバーが、本当は大事にしたかった私の感性や興味を、「あなたの強みで、それが魅力なんだよ!」と言ってくれたことが、涙が出るほど嬉しかったんです。

土地も人も大好きな高田で、やりたいことに挑戦してみたい。

インターンを続けるうちに、そんな思いが強くなっていき、移住して関わり続けることに決めました。私のことを受け入れてくれた高田の皆さんには、本当に感謝しています。日々の生活や仕事を通して、少しずつ返していけたらなぁと思っています。

 

山猫堂のオープンまでは、とにかく大忙し。大学のある宇都宮にいながら、常に高田のメンバーと遠隔で連絡を取りあい、時間のある時は高田に通っていました。年末年始は卒業論文に追われ、年始に卒論を書き上げてからまたすぐ高田に向かい、そこからオープンまでノンストップ。なかなか高田の皆さんに移住のご挨拶にもいけず・・・。気づけば4月になっていました。


(卒業論文執筆中の風景。研究と仕事を行ったり来たりで大変でした。)

 

現在の私の担当は、「おうちの未来相談窓口」。家財整理や引き取り、お家の管理などを主に行なっています。普段は山猫堂で、空き家から引き取ってきた古物の販売をしています。

なので、作業着を着て空き家に入り、引き取りや掃除をして埃まみれになった後、山猫堂で店番をすることもしばしば。山猫堂の空間は、泥臭い仕事があってこそ生まれているもの。仕事の裏側は、埃っぽくて綺麗じゃない。そんな仕事をしています。現実的な空き家の景色と、おしゃれな山猫堂の空間の間には、すんごい大きな差があるように見えるかもしれませんが、実は表裏一体。面白いですよね。


(真っ暗な蔵の中での力仕事と、山猫堂での接客は表裏一体なのです。)

 

私が、空き家から出てきた古物の販売をするのは、ただ単に「もったいないから」「レトロで可愛いから」だけじゃないんです。

 

「家」は、見る方向によって様々な顔を持ちます。

誰かの帰る場所。家族の財産。過去の暮らし。一家の記憶。

そんな「家」から出てくるものたちは、誰かの生きていた証であり、そこにあった確かな暮らしを表すものです。それを捨てずに「残す」ことが、大事な気がするんです。

 

私も、実家やおばあちゃんのお家を「閉じる」ことを考えると、胸がきゅっとします。そこで苦しんだり、大変な思いをする人に、大切な家やものを、「嫌な思い出」としてゴミ袋に詰められてしまうのが悲しいんだと思います。


(自分の運んできた古物を楽しんで使ってもらえるのが、今のいちばんの喜びです。)

 

少しでも、皆さんがお家のことに向き合うときに、心を軽く、明るい気持ちにすることができるよう、頑張ります!

 

高田での生活はまだまだ初心者。地域の方に助けられ、少しずつ学びながら、日々を過ごしています。改めて、これからよろしくお願いします!

 

【プロフィール】

木津谷亜美

1999年生まれ/青森県西津軽出身/母国語は津軽弁/2022年夏季インターンを経て、2023年4月に移住。高田暮舎では、おうちの未来相談窓口を担当/古着が好きで、空き家から出てきた服を着ることにハマっています。

執筆者プロフィール

高橋諒

1996年生まれ/岩手県盛岡市生まれ/横浜にて5年間建築現場監督をし、2022年陸前高田市地域おこし協力隊としてUターン。高田暮舎では、空き家バンクを担当。何といっても釣りが好き。釣り中心に生活している。釣りするために移住したと言っても過言ではない。