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「KUMON」というと、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
早い時期から自分で学び、「高い学力」と「自分で学ぶ力(自学自習力)」をつけていくことを目指す、公文式学習法。
岩手県では現在148の教室が運営されています。
今回募集するのは、「公文式高田教室」(以下、高田教室)を引き継ぎ、運営していただく先生。
教育の経験は、なくても大丈夫。子どもが好きで、「一緒に成長したい」という想いのある方を求めています。
まずお話をお聞きしたのは、高田教室の先生である菅野さん。陸前高田市出身で、2017年から高田教室を引き継ぎ、運営しています。
震災後、一度離れていた陸前高田へ住まいを戻した菅野さん。高校卒業後は東京やアメリカで音楽活動をしていました。
「週に2回、教室を開いて子どもたちの指導をしています。自学自習が基本なので、その日来る生徒に合わせてプリントを用意したり、宿題をみたり。生徒も一人ひとり違うので、それぞれにあったコミュニケーションをとりながら進めています。」
もともと子どもが好きで、学童保育で働いていた菅野さん。はじめてくもんの先生として働きはじめた頃は、無我夢中だったそう。
それでも時間を重ねていく中で 自分の中で事例ができていくように、「日々研究しながら進めていくことも楽しかった」と笑顔で話します。
そうして子どもたちに向き合うことが、なによりのやりがいだそう。
「まず子どもをほめることを大切にしています。本当にいろんな子どもがいますので。100点を取って『わあっ』て喜ぶ子もいるし、特に低学年の子は 本当に嬉しそうだったりして。その顔を見るこちらも嬉しくなるし、伸ばしたい子もたくさん出てくるんです。そうなるともうなかなかやめられないんです、この職業って。あ、またこういう子が入ってきた、この子はどこまで伸ばそうか、とか。それが楽しくて。」
くもんの先生になるには、「55歳以下の女性」という条件があります。ただ、一度始めたら定年が無いことも特徴。「終わりがない」ことは、先生たちが長く続けられる理由のひとつだといいます。
今回募集する先生も、きっと生徒一人ひとりと長い目線で関わっていく立場になると思います。
とはいえ、いざ教室を任されるとなれば、不安なことも多いはず。
そんなときにはぜひ、「担当スタッフ」を頼ってほしいと思います。
飯山さんは、まさにくもんの先生たちと並走するスタッフの一人。岩手県内で担当する46教室をサポートしています。
「くもんの先生はそれぞれが個人事業主なので、自分でやりくりしないといけないことが多い。なので、定期的に教室をまわって先生の相談に乗ったり、先生同士の橋渡しをしたりしています。なかなか若い先生の方から連絡を取るのは敷居が高いかもしれないから、場を作って一緒に会ったり、教室見学に一緒に行ってみたり、といった役割もします。」
もともとは、県外で学校の先生をしていた飯山さん。
先生を支える立場となった今、改めて大切にしている想いがあります。
「くもんって、学校の先生と似ているところはあるかもしれないけれど、選んで来てもらっているんです。だからこそ、先生との絆がどんどん膨らんでいけば、それは一生モノになる。ただ、先生と生徒、先生と保護者が一方通行ではだめで、まず先生と保護者が信頼し合えること、『あの先生に預けてよかった』と思ってもらえることが大切。双方から子どもたちを見てあげる、ピラミッドのような関係を目指しています。」
「くもんの先生」を支えるしくみ。「これなんだろう、と思ったらすぐ連絡します」と菅野さん。
さらに、“関係”を築いていくのは、教室の中だけではありません。
「陸前高田を、自分の働く場を好きにならないとやっていけない仕事だと思います。地域の人たちとの交流も当然出てくるだろうし、交流をすることによって評判が伝わる。教室をもったら、一国一城の主人ではなく、近隣の協力を得なければいけないんです。だから、地域に根ざした活動をしてください、ということを僕は話します。
その分、”よそ者”というのは全然関係ないんです。本当にここの場所でいいの?っていうのは、最後の最後まで念を押して話をすすめますが、だからこそ 陸前高田を好きになってくれる人であれば嬉しいなと思います。」
最後にもう一度、菅野さんに。
陸前高田教室へ、どんな人にきてほしいかを聞きました。
「そうですね、子ども好きで、明るい人だといいですね。もちろん、大変なこともありますよ。保護者さんともうまくやっていかないといけないし、学校の成績も意識しなければいけません。ただ子どもたちには、学校の成績だけではなくて、人間性や生きる力も一緒に携えてほしいと思っています。
なので、あまりくよくよせず、前向きに楽しんでいける人だといいですね。」
お話をききながら、「とにかくこの仕事をやりはじめると好きになりますよ」と笑う菅野さん。
教室を立ち上げ当初からサポートしている飯山さんは、「子どもはもちろん、先生が成長していく様子を見られるのが嬉しい」と教えてくださいました。
子どもたちと関わることで自分も学び、共に成長していく。
そんな「人と人とのつきあい」に喜びを感じながら、学びの場をつくっていく先生を募集しています。
(Text : 山崎風雅)