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まずは自分がわくわくと心躍るかどうか
「Amazing!(感激)」と言われるような体験やイベントを企画する「陸前高田企画株式会社(以下、陸前高田企画(株))」。陸前高田市の雄大な自然と文化資源を活用し、独自の付加価値を加えることによって、感動を与えるサービスを提供しています。観光コンテンツとイベント、研修事業のそれぞれの企画と実施。地域物産品と海外姉妹都市からの輸出入事業と商品開発の3つの事業を行っています。また、観光推進による陸前高田全体のブランディングにも力を入れています。
今回、求人募集にあたりお話を伺ったのは、代表取締役社長の村上清さんです。
「特に細かい募集要項はないです。『陸前高田でこういうことをやりたいです!』と自分を売り込んでくれる人がいいですね。ビジネスモデルをつくりたい人や、地域に貢献したいなど、目標や想いがある人と高田のために一緒に働きたいと思っています。」
陸前高田企画(株)で働くスタッフは、正社員の他に副業社員として所属しているスタッフが7名います。副業社員の人たちは国際的戦略コンサルタント、イタリアンシェフ、ワインソムリエ、岩手の自然や生物の研究をする専門家など、様々な経歴をもつ人たちが働いています。
陸前高田の明るい未来へ可能性を感じ、自分の力を発揮して地域を盛り上げたいという、同じ想いを持つ人たちが集まっています。
「一緒に働くスタッフには、『ここに来て、自分が付加価値をつけて、自分がわくわくすることはなんですか?』と聞いています。自分がその気持ちを持てなかったら、他人に感じてもらうことはできないと思っています。わくわくするためには、苦労ももちろんありますが、働いている人がわくわくしないと、何も生まれないと思うんですよね」。
一緒に働きたいと思って来てくれた人、働いているスタッフ1人1人にも、必ず伝えている清さんの信念です。
ずっと変わらないふるさとへの想い
「震災から10年の節目を迎えた時、『被災地陸前高田』というハードな復興から、まちの発展や経済を復興させるために、次の段階へ転換していくべきだと感じました」。
地域のために、力を注ぐ清さんの強い想いとは何でしょうか?
陸前高田市出身の清さんは、大船渡高校を卒業後はアメリカの大学へ留学。その後は、外資系の大手金融機関を渡り歩き、世界を飛びまわるビジネスマンでした。
国連機関UNHCR本部の人事研修部長を務め、日本人で初めての国連機関トップの緒方貞子さんと難民保護を担う人たちの組織づくりにも尽力しました。
「アメリカに行ってから、日本のことや高田のことを今までにないくらい、本当に勉強をしました。震災前から陸前高田ふるさと大使を務めていて、『高田をどうやって世界へ広めていくか』を常に考えていましたね。」
東日本大震災が発生した2011年3月11日、清さんは会議出席のため香港にいました。会議を中断し各所と連絡をとるなかで、高田の壊滅的な状況を知ります。なんとか日本へ帰る手段を手配し、震災発生から6日後に高田へ帰ってくることができました。
被災したふるさとを目の当たりにして思い出したのが、難民保護の活動で目にした、難民キャンプの様子だったと言います。震災によって、全てを壊されたふるさとのため、清さんは動き出します。
「会社とかは関係なく、高田の人の救済、復旧、復興のための組織をつくって推進してくことに力を入れていきました。震災からの10年間は、臨時災害FM放送局を開設運営したり、日米高校生会議を開催して海外との連携をはかるための活動もしてきました。『世界に誇れる美しいまち』というテーマを持って、陸前高田を世界に対してアピールしてきました」。
立ち止まることなく、まちづくりのために走り続けてきた清さんが、震災からちょうど10年の2021年3月に観光企画会社「陸前高田企画株式会社」を設立しました。
「震災からの心の復興はずっと続いています。それは仕方のないことだと思っています。震災から10年が過ぎ、次は経済を活性化させることが、高田の発展に繋がっていくと考えていました。新しいビジネスを高田から発信させていこうという想いでずっとやってきて『高田からでも何でもできるんだ。高田にいても世界へ出れるんだ』ということを、新しいまちづくりのなかにもってきたかったんです」。
隠れた魅力を掘り起こし、光を当てる
まちの復興に携わるなかで、今まであったもの、今まで探れていない「高田の魅力」がたくあったと清さんは言います。
「この魅力を最大限に引き出すための手段は、2つあると思っています。一つは、高田という場所にどう付加価値をつけて売っていくのか。という場所の売り方ですね」。
イベントと場所をどう組み合わせるかで、新しい付加価値をつけたコンテンツ作りができるのではないか。今のまちをどのように表現して、付加価値が高まるようなプレゼンテーションをして動くかが大事だと感じているそうです。
陸前高田企画(株)では、まち全体を使って高田の魅力を体験できる様々なモニターツアーや、走ってまちをめぐるスポーツイベントも企画してきました。
モニターツアーでは、カキの養殖いかだの上で三陸の海の幸を食べつくすツアーや気仙大工左官伝承館で歴史を学び、地元の食材を使ったイタリア料理を堪能した後には、夜空に広がる満天の星を眺めるツアーなど。まさに本来持つ陸前高田の資源に、付加価値を付けたコンテンツを手掛けています。
「もう一つは、高田にある商品をどう付加価値を高めて、外へ出していくか。私たちは海外へアピールして、輸出していくことを目標にやっています。高田には、面白いものが色々あります。そういったものを、国際的にも世界的にも、『そんなものがあるの!?』と思わせることが大事だと思っています」。
以前、シンガポールで開催した「陸前高田フェア」では、高田にある企業や商工業の人たちが集まり、日本大使主催のレセプションを大使館で行いました。
全て高田の食材を使い、料理をするのはミシュランの星つきの日本食シェフ。まさに、「高田のものに付加価値をつけて、提供する」を体現する場となりました。
レセプションは大成功!幻の貝といわれている,イシカゲ貝も広田湾漁協からシンガポールへ実際に輸出も行っているそうです。
「高田のものってそんなにたくさんあるわけではないから、生産量が少ないので、当然値段も高くなりますよね?そういうアプローチに向けてやっています。海のものだけじゃなく、山のものも含めて『高田ってすごいものばっかりだね!』と思わせるプレゼンをしないといけないと思っていますね。それによって、生産者の収益をもっと高められて、10年後には、高田のGDPを今の200倍にしていくことがこれからの目標でもあります」。
陸前高田で挑戦したい人、夢がある人。自分の「やりたい!」を、ここ陸前高田企画(株)で一緒に実現してみませんか?