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陸前高田市高田町にある美容室「KAMIKIRI SALON ひみつきち」
県内にないもの、お客様のためになるものを検証し、面白いと思うことを積極的に取り入れる美容室です。
現在は、ひみつきちの他に高田町に1店舗、大船渡町に2店舗、の4店舗を営業しています。
今回の求人では、一緒に働く美容師を募集します。
「おもしろそう!」からスタートした美容師の道
求人募集にあたり、株式会社ひみつきち代表取締役社長の伊藤英(いとうさとる)さんにお話を伺いました。
「実はもともと美容師に憧れがあったわけではないんですよ。高校3年生の夏ごろ、進路について考えている時に、同じクラスの友達に『卒業後は何をするの?』と聞いたら、『美容師やるよ』って。それを聞いて、おもしろそう!と思ったのがはじまりです」
- 株式会社ひみつきち代表取締役社長の伊藤英(いとうさとる)さん
地元の高校を卒業後、地元で通っていた(有)ゼンへ入社。美容師としての知識や技術、接客のノウハウなどを学びました。伊藤さんにとって(有)ゼンは、今の基礎を作ってくれた大切な場所でもあったそうです。
入職してから約10年が経った2011年3月11日、東日本大震災が発生します。
「自宅は流されて、母親も失いました。DNA鑑定をして、見つかったのは半年後でしたね」
伊藤さんは、地域のためにできることがしたいという想いで、美容師を一旦離れます。2012年2月~2015年3月まで、一般社団法人SAVE TAKATA(現一般社団法人トナリノ)で活動し、市内の古民家リノベーションやパソコン教室など複数の事業に携わりました。
3年勤務した後、再び美容師の道へ。
「SAVE TAKATA時代にいろんなことをやってきましたが、自分の力でお金を得ることができなかったんです。色々とやりたいこともあるし、やってきたこともあるけど、今までやってきたキャリアにおいて、稼げるか稼げないかを試しに行こうと思って、東京へ行きました」
偶然にも岩手県出身だったオーナーが経営する美容室で4年勤め、店長も経験しました。
「父親と自宅再建とともに、お店をやるかどうかの話をしていました。地元に帰ってくるまでに、東京で自分がある程度稼げるかどうか判断しなきゃいけなかったんですが、『やるしかない!』と判断したので、帰ってきました」
自分でやる!と決意し、2019年5月18日に1号店の「KAMIKIRI SALON ひみつきち」をオープン。今年で5年目を迎えます。現在、従業員は全店舗あわせて8人。内、1人はフリーランスで所属しています。
一人ひとりのブランド価値を上げるために
「一緒に働くスタッフのやりたい!を応援していきたいと思っています。出てくる提案に対しては、できる限り否定はせずに、どうやったらできるか?それが誰のために、何のためになるのか?というのは必ず聞いています。自分が満足するためだけの意見だったら、却下。
誰かのためになるようなことを『全力で』できることが、その人たちの価値が上がるんだろうなと思っています」
応援することが好きと話す伊藤さん。お店を経営していくうえで、スタッフ一人ひとりのブランド力を上げていくことに力を入れているそうです。
「生涯を通して美容師としてのあなたの価値は?と漠然と想像するのではなくて。仮に、ひと月の担当のお客様の人数は〇名です。月の売り上げがいくらです。というのが、この業界ではひとつの目安になるかと思うんですよね。ブランド力をあげることによって、その人の美容師としての価値を上げたいと思っています。
今までだと、会社がブランドだったりしますが、それを個々に合わせて、『この人にお願いしたい』というのをどうやったら作れるのか、現在実験している最中です。自分の価値を高めて、それに見合う対価を少しでも引き上げられるような環境をつくっていきたいですね」
イメージは、「目指せ!美容師としてのラグジュアリーブランド」。実践しているなかで、手ごたえを感じているという伊藤さん。ノウハウをため、それを実践できる人材が集まってきたら、ここをベースとして、さらなる次のステージも考えているとのこと。
次に、求める人物像について聞いてみました。
「そうですね、もちろん美容師免許は必要です。あとは裏表がなく、一般常識をもっている人ですね。技術だけではなく接客も伴いますので、理想をいえば言葉で人を傷つけないような、言葉使いが丁寧な方がいいですね。それと明るさも」
どこの店舗の配属になるかは、キャリアも含めて、その人と話をしながら決めるそうです。
大事なことは、将来どうなっていたいかをスタッフから深堀することだと伊藤さんは言います。
「今の生活環境を離れるという人には、次のところでお仕事ができるように、今から準備しませんか?と提案したり。美容師免許を持っているが、美容師としての仕事の経験はない……それでもやる気はあります!!という人には、まずは練習をしてできるようになって、カラーとかケアに特化した美容師さんを目指してみましょう。など、やり方はたくさんあります。それぞれ、どこまでできるか。どこまでやりたいかというものもありますが、とにかくやってみて、それをみんなで全力で支えようという体制を意識しています」
なんでもチャレンジができる組織を目指しているという伊藤さんですが、その人が何をしたいかによって、自分がどうサポートができるのかを常に考えているそうです。
これから、移住をする人や考えている人にも興味を持ってもらえたらと話します。
「移住をしてみて1年だけやってみたい、独立の前に経験を積みたい。でもいいと思っています。地元が過疎地域で本当にできるのかな?とか。2年後くらいを目安にフランチャイズ化も考えているので、自分のことを信じてもらえるなら、ぜひ一緒に働きたいですね。田舎だけど、やっていることは都会と変わらないと思っているので、全国どこへ行ってもできると思いますよ」
現在、店舗で働くスタッフは全員女性ですが、男性からのご応募もお待ちしております。
夢は夢で終わらせない
最後に、今後の目標を伺いました。
「全国展開も視野にいれています。日本全国で仕事がしたいのと、業種をこえて仕事をしたいなと思っています。美容だけに限らず、若者やこれからの子どもたちに夢を与えられるような存在になりたいですね。
最終的に自分がお金を稼げる立場になったらそのお金を元手にして、子どもたちの夢を実現する為にマネーの虎のような事をやりたいです(笑)。子どもたちから本気でやりたいことをプレゼンしてもらって、心が揺らいだものがあったら、『よし!これでやってみな』って。
そのためにも自分が色々と経験を積んで、やってみたときにはこんな感じだったけど今はこうだよ。という話をしたいですね」
妄想するのが好きと話す伊藤さん。想像や計画をするのはタダ。それを意識するかしないかだけで、自分のやれることや行動指針、考える+行動も変わってくると、伊藤さんは言います。ここ最近は妄想していたことが、実現できていると実感しているそうです。
「それと……、歩くパワースポットになりたい!あの人と話しているとなんか運気が上がる。とか、お店のスタッフや組織に関わる全員が、周りの運気を上げられるような状態をつくれたら、最強のグループだなって。スタッフには、沢山本を読んでお金についての勉強をしてほしいですね。夢を現実にするには必要な事なので」
一人ひとりの「やってみたい」を尊重してくれて、美容師としてのブランド価値も高めることができる場所です。株式会社ひみつきちで一緒にチャレンジしてみませんか?
Text:吉田 ルミ子