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全国各地で問題視されているように、陸前高田市でも高齢化は大きな社会問題のひとつ。2011年3月に起こった東日本大震災後には仮設住宅に移った独居老人の健康悪化も大きな問題となりました。その問題を解決しようと、2012年5月訪問リビリテーション事業を立ち上げたのが「ロッツ株式会社」。「訪問リバビリステーション さんぽ」や「ReBorn デイサービス&フィットネスクラブ」、「とうごう薬局」、温泉「玉乃湯」を運営しています。
今回ロッツ株式会社が募集するのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種。
ロッツ株式会社が運営しているいずれかのサービスに従事し、リハビリテーションに携わる職員です。
まずお話をお聞きしたのは「訪問リハビリステーションさんぽ(以下さんぽ)」のスタッフである阿比留 友樹さん。長崎県出身で、北九州市内の病院に勤務した後、ロッツ株式会社に入社。平成29年1月からマネージャーを務めています。
「さんぽでは訪問リハビリテーションを行っています。利用しているのは陸前高田市、大船渡市に住んでいる方々。各家庭に伺って、筋力トレーニングや歩行練習、作業活動などを用いて、自立した日常生活が行えるようになることを目的としたプログラムを提供しています。業務の内容は他の訪問リハビリステーションと同じなのですが、ここの特徴は単独型の訪問リハビリテーション事業をしているということです」
本来、訪問リハビリテーションは、医療機関、訪問看護ステーションでしか行うことができません。しかし陸前高田市は東日本大震災以降、復興特別区域法により、医療機関や訪問看護ステーション以外の事業所が単独で、訪問リハビリテーション事業を行うことが可能になりました。
「地方には高齢者が多く、リハビリテーションを必要としている人が多くいます。だけど、リハビリテーション事業が充実しているのは都市部が中心。そういった現状が、都市部と地方での健康格差を作っていると思っています。単独型リハビリテーションが他の地域でも行えるようになると、リハビリテーションを必要としている人たちに、サービスを届けることができる。この陸前高田市で今行われている仕組み自体を全国に広げることができればと思っています。そうすると、本来開業することのできない、理学療法士や作業療法士が、事業を始めることができて、活躍できる場所を広げることにも繋がっていく。そういったことを目指して今は事業について学びながら、取り組んでいるところです」
期間が決められている復興特別区域法。阿比留さんは、復興特別区域法の期間が終了しても、単独型訪問リハビリテーションが行えるような仕組みづくりにも取り組んでいます。
訪問リハビリテーションの利用者数は現在、約140名ほど
続いて話を聞いたのは、「ReBorn デイサービス&フィットネスクラブ(以下ReBorn)」マネージャーの草別 拓郎さん。ReBornがオープンしたのは2017年4月。市街地にある大型商業施設アバッセ内にスタジオを構えています。
「ReBornの事業はリハビリ特化型デイサービスとフィットネススタジオ運営のふたつ。リハビリ特化型デイサービスでは、利用者さんひとりひとりが設定した目標に向けて、体力や身体能力を向上させるためのリハビリテーションを提供しています。フィットネススタジオを行っているのはデイサービスを行っていない時間帯。パーソナルトレーナーとして、リハビリを中心としたトレーニングの指導に当たっています」
ReBornのようにリハビリ特化型デイサービスとフィットネス事業を組み合わせて行っている事業所は全国的に見ても、そう多くはありません。
「新たな事業を行っているので、日々チャレンジの連続です。私を含めて、これまで理学療法士や作業療法士をしてきた人たちは病院とか大きい組織に所属していたことがほとんど。そういった大きい組織では、仕事に対して挑戦的な雰囲気よりも少し守られているような感覚がありました。ここでは、従業員ひとりひとりが自分たちで一から事業をつくっていきます。会社としていいものは挑戦していこう、事業として展開していこうという雰囲気があるんです」
そうして、一から事業を展開させていくことで、自分の意見が反映されやすいことにやりがいを感じている一方で、だからこその大変さもあると草別さんは言います。
「大変ですよ。意見が反映される分、しっかり自分の仕事に責任を持たないといけません。新しいことに取り組むからには、事業として成り立たせないといけない。ReBornがオープンして1年が立って、やっとゼロからイチを生み出すような最初の段階から進み始めているなと感じています。これまでは特に利用者さんを増やすために、活動を広げる作業を行ってきました。これからはそうして集まってくれた利用者の方々に向けて、よりよいリハビリテーションを提供するために努力していく必要があります。今はゴールはわかっているけど、そこまでの過程がわかっていないので、みんなでもがいているような状態です。向上心があって、新しいことへ挑戦したいという気持ちのある人にぜひ加わってほしいですね」
ReBornでは新たな機材を取り入れたり、イベントを開催したりと利用者増加のため、またサービス向上のための取り組みが積極的に行われています。
さんぽで働く、千葉 直美さんはまさにそんな想いを持って働いているスタッフのひとり。千葉さんは、東京都内の医療機関で従事した後、ロッツ株式会社に就職しました。
「私は大船渡市内の訪問リハビリテーションの仕事に携わっています。利用者さんのお家には基本的に一人で訪れます。一対一で利用者さんと向き合いながら、リハビリテーションを行っています」。
訪問リハビリテーションを行う上で、千葉さんが目指していることは、必ずしも「利用者さんが健康的によくなること」だけではないと言います。
「私がリハビリテーションを提供することで、その人に『よかったな』って思ってもらえたらいいなというのが根本にあります。でも、そう思ってもらいたいという気持ちだけだと相手への押し付けになってしまう。なので、まずは自分が『この利用者さんの人生に関わることができてよかったな』って思えるように、自分の最善を尽くすことができたらいいなという気持ちが一番強いです。身体的なことや健康的なことだけではなくて、その人らしさが引き出せるようなリハビリテーションを行っていきたいなと思っています」。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士として働いてきた方にとっては、ロッツ株式会社での仕事はこれまでと異なる働き方になるのかもしれません。
これからの新しいリハビリテーション事業を展開しながら、サービスを必要としている人へ届けられるように、一緒に挑戦していくメンバーを募集しています。
(Text : 宮本拓海(COKAGESTUDIO))