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市内の国道45号を通るとき、高台に3階建ての白い建物が見えてきます。そこには、日々変わりゆく陸前高田の町並みと、太平洋を一望できる「キャピタルホテル1000」です。
陸前高田の観光の拠点として、宿泊のほか、宴会や披露宴、お祝いごと、忌中払いなどに市民にも日頃から利用されてきました。陸前高田で長年愛されているホテルです。
今回募集するのは、お客様からの様々なリクエストにも応えることができる人材です。主に宿泊や宴会での料飲サービスや片づけ、会場設営など。臨機応変、柔軟な対応が求められるサービスのお仕事です。
はじめにお話を伺ったのは、キャピタルホテル1000(株) 代表取締役社長の松田修一さん。
松田さんは、生まれも育ちも陸前高田。中学を卒業し、盛岡の高校へ進学。その後、都内の大学へ進学しました。大学卒業後は、岩手県庁に勤務しその後は盛岡での生活を送っていました。岩手県庁を退職した後は花巻温泉(株)に入社し、ホテル業のノウハウを学びました。平成25年キャピタルホテル1000(株)入社し、専務取締役に就任。平成27年には、代表取締役に就任しました。
陸前高田へは、7年前に戻ってきました。久しぶりの生まれ育った土地での生活は「震災の影響で不憫さは多々あるが、懐かしさが蘇り暮らしやすいです。ずっと帰ってきたかった場所でした。」と凛とした表情の中にも、柔らかな口調で話していました。
キャピタルホテル1000(株)は、ホテル事業として宿泊者様のお出迎えと、地元のお客様を含めての宴会業の大きく分けて、2つの事業を行っています。平成元年にオープンし、結婚式や、家族や親戚とのお祝い事など、この地域の人なら一度は利用した事のあるホテルです。
高田松原の目の前にあったホテルは、東日本大震災により壊滅的な被害を受けました。震災から2年半後、経営主体が変わり、新生ホテルとしてグランドオープン。2020年の11月に7年を迎えました。
一緒にお話を伺ったのは、オープニングスタッフとして採用され開業準備から勤める、一番のベテラン村上唯さん。ベテランといっても従業員の中では一番若いスタッフです。ふんわり柔らかい雰囲気で、終始笑顔で答えてくれました。
生まれも育ちも陸前高田市。高校卒業とともに、キャピタルホテル1000に就職しました。進路を決める際、一度は県外へ出ようと考えていましたが、震災も経験し家族の事が心配、そしてこの地元を離れたくないという思いが強くなり、地元に残る事を決意したそうです。
「実はもともと人見知りなんです…」と恥ずかしそうに話す村上さん。
そんな自分を変えたいという想いもあり、接客業の仕事に就きました。今では、ホテルの顔である、フロントの仕事と経理にも携わっています。
仕事のやりがいや楽しい事を聞いてみました。
「リピーターのお客様が名前を覚えてくれていた事が嬉しかったです。」
満面の笑みで答えてくれた唯さんにとって、仕事のやりがいに繋がっているそうです。
「仕事中に何か嫌な事があっても、次のお客様へは、笑顔で対応する。気持ちの切り替えをする事を心がけています。」とも語ってくれました。
職場は、家よりも長い時間居る場所なので、自分で居心地のいい空間にしているとの事。職場の人たちとの交流も積極的に行い、一緒に食事をしたり、休みの日には少し遠出をしたり…。苦手を克服し、自分の気持ちや周りの雰囲気を上手にコントロールしている印象を受けました。
そして、もう一人インタビューに応えてくれたのは、管理本部 兼 営業リーダーを務める臼澤憲太郎さん。
岩手県矢巾町出身。千葉県の外語大学を卒業後、キャピタルホテル1000に就職をしました。
「就職を決める際は都内か陸前高田かの二つの選択肢でした。」と当時の事を思い浮かべながら話してくれました。県職員をしていたお父様が、震災後に陸前高田の応援職員として、2年勤務。当時高校生だった臼澤さんは、自ら志願して、陸前高田の為に働く父の姿を見て感銘を受けたそうです。
「陸前高田の為に、何かしたい。自分も何か力添えがしたい!」と言う強い思いもあり、陸前高田への就職を決めたそうです。陸前高田に来て4年目。
「海産物の美味しさに感動しました。」と目を細めていました。
営業、フロント、宴会サービス、総務、企画と全ての業務に関わっている臼澤さん。
お客様の先をみて、おもてなしをする事を日頃から心がけているそうです。
「リピーターの方の好みをインプットし、サービスを提供する事がホテルマンとしての心得です」と力強い眼差しで話してくれました。お客様からの「ありがとう」の一言が、仕事をする上での糧になっているとの事。日頃からサービスのマニュアル本を読み返したり、所作を学ぶなど、基本に帰ることを意識して取り組んでいうそうです。
臼澤さんにとって、陸前高田はどんな存在か聞いてみました。
「僕にとっては、第2のふるさとです。」一人暮らしをして4年以上住む初めての場所。顔見知りも増え、安心できる場所とのこと。
「接客をしていて、いつも笑顔で明るい人だなという人が実は被災していた。という話を聞くと、大変さを表に見せない強い人が多い町だなという印象があります。そして地元民じゃない自分を温かく迎えいれてくれたことが嬉しかった。」目を輝かせて、陸前高田への想いを語ってくれました。
次に松田さんが今回の募集で、求めている人材についてお伺いしました。
「失敗を克服しながら前向きなサービスができる人。ホテル業は究極のサービスと思っています。お客様からくる様々なリクエストには簡単に「NO」と言わない。お客様からのリクエストにしぶとく応えられる、器用さが求められるのです。」
村上さん、臼澤さんにはどんな方と一緒に働きたいかお伺いしました。
村上さんは「優しい人。英語ができる人が臼澤さんだけなので、英語を話せる人だと嬉しいです。ポジティブな思考を持っている方が、働きやすいと思います。」
臼澤さんは「素直で前向きな人。そしてアイディアも出してくれてチャレンジすることを恐れない人。みんなイチから始めた人たちなので、安心して入ってきてほしいです。」
そして、お二人が共通して話していた事。
「最低限、基本的なパソコン操作のスキルが身についているといい」
入社してからも覚える事はできますが、基本ができているとお仕事もスムーズに入りやすいとのアドバイスも頂きました。
部門間の垣根はないので、その人の特性に合わせて、柔軟にお仕事ができる職場です。しっかりとしたサポート体制は整っています。
最後、松田さんに今後の目標と、一緒に働く従業員へ向けての希望を話して頂きました。
「宿泊施設は脇役だと思っています。地域産業としっかりと連携してまちの魅力を高め、訪れたお客様がホテルを拠点として市内の観光を存分に楽しんでいただくお手伝いをしたいと思います。」
これからも、脇役と言う立場でありながら、地域のハブの機能を果たす宿泊施設として。そんな役割を持つ存在を目指していきます。
「一緒に働く従業員の方々にはありたい自分の姿を、明確な目標を持ってもらいたいです。」この職業を通じて自分に生きがいを持ってほしい、誇りを持ってほしいとの想いを日頃から伝えているそうです。
「お客様の笑顔は自分で掴んでほしい。喜びや誇りは精神的な成長に繋がっていきます。プロ意識を持って、スペシャリストになってほしいと。」と熱い想いを語ってくれました。
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