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人との交流を一番の商品にしたい。
勢いでもいい、初めの一歩を。
2021年4月29日。陸前高田市の広田湾を望む土地に、陸前高田ワタミオーガニックランドがオープンしました。オーガニック・循環・命をテーマにした日本初の体験型の有機農業テーマパークです。
土作りから始まった23ヘクタールもの広大な土地は、今後、農場・工房・レストラン・音楽堂などが段階的に作られ、全てを20年で完成させる計画となっています。現在は営業しながら整備が進められ、すでに提供されている、農業を楽しく学ぶ体験プログラムや畑で採れたての野菜を使用したハンバーガーなどは、来場者に大変好評を得ています。
今回の求人募集について、はじめにお話をお伺いしたのは、ワタミオーガニックランド株式会社の部谷文一(ひだにふみかず)さん(写真右)です。
――オーガニックランドは20年もの歳月をかけた壮大なプロジェクトのようですね。今、求めている職種は何でしょうか?
それが、特に決まっていないんですよ。運営全般でしょうか。例えば、運営ひとつにしても、飲食・物販の店舗、農作物の栽培、体験を提供するインストラクター、企画、事務局など様々な役割があるんですよね。
今後、段階的に環境が整うなかで不足している業務を少しずつ探っていくと、必要な職種が見えて、様々な雇用が生まれていくと思います。「ここで働いてみたい」という方がいれば、想いや適性などから働き方を考慮していくので、この環境を楽しんでくれる人と一緒に働きたいですね。
今後は、行政や民間団体などと連携をしながら進めたいので、多方面に関わっていける能力が求められるかもしれません。
――オーガニックランドの構築に携わる仕事はすごく面白そうですし、チャレンジしがいがありますね。
そうですね。農作物を作るだけでなく、それに付加価値をつけていくやりがいがある仕事だと思います。今、何ができるかを考える、チャレンジが好きな方にいいかもしれません。
スタッフとは意見を出し合いながら、得意分野を伸ばし、高め合う関係が理想ですね。いいコンテンツを一緒に企画して、価値提供をしたいです。その交流の中で、お客様が共感し、ファンとなり、私たちを応援してもらえたら嬉しいです。
「オーガニックランドに行く」というより「あの人に会いたいから行く」を実現したいですね。「スタッフや人との交流」が一番の商品になればいいなと思っています。
オーガニックランドの求人の概要についてお聞きしたところで、次にワタミファーム陸前高田株式会社で主に農作物の生産管理を行う鈴木空慈(すずきこうじ)さんに、移住することについてお話を伺いました。
――鈴木さんは、今年21歳になるということで、とても若いのですが、陸前高田に移住するまでにはどのような体験や想いがあったのでしょうか?
厚木市にある高校在学中に、修学旅行で初めて陸前高田に来たことがきっかけです。滞在中、「外からの人を求めている」という民泊先の方の想いを聞いて、「また陸前高田に行きたいな」と考えるようになりました。まず1週間滞在してみようと、高校を卒業して、1週間後に陸前高田に来たんです。その時期は有難いことに、りんご農家さんに滞在させてもらっていました。
滞在中、これから先どうするか不安のなか模索して、新規就農としてやっていこうと考えていたときでした。ワタミオーガニックランド株式会社の小出社長と話す機会があったのですが、そのあと「オーガニックランドで働かないか?」って。あれよという間に働いていましたね。
2020年4月に入社してから、1年間は修行として関東各地のワタミ農場を回って、2021年度からここで働いています。
――卒業後すぐ地方への移住を決めるなんて、すごいエネルギーを感じます。仕事では、これからどんなことをするのですか?
お客様には、オーガニックランドで長時間、思う存分楽しんでもらいたいです。楽しみのひとつとして、入場してから一番目立つ場所にある畑でハーブガーデンを作ろうとしています。ハーブが個人的に好きなのと、見栄えもいいし、強く育つので。
実はこの計画、「大きいハーブガーデンに畝を立てず、庭のように作ったら面白そうだな〜」と思ってなんとなく書いた絵が上司に発見されて、採用されたんです。「それいいじゃんやってみようよ」って。
――ハーブガーデンは楽しみですね。アイディアが採用される社風なのですね。想いが実現できる可能性を秘めている場所ということでしょうか。
ゼロから作っていく場所なので、いい案や利益を生むものや、熱意があるものはやっていいよと言ってもらうことが多いです。新しくいいアイディアは積極的に採用される場所かなと思います。
やれることはいっぱいあるので、仕事をしながら「これいいな」という体験に出会ってくれたらいいなと思います。意外なところに、自分の可能性があるかもしれません。クレープ作りなんて、やってみたら意外と楽しくてはまってしまいました。ここでは入社して間もない私が楽しさや可能性を見つけて、やれていますし、まずは仲間に入ってもらいたいですね。
――仲間になって可能性を探せばいい、という言葉は心強いですね。反対に移住して大変だったことはありますか?
辛いとか大変だとかは意外とないかもしれないです!多少のことは、どれもいい体験だったかなと思っています。陸前高田に来て、民泊先の方や滞在先の方、仕事の後押しをしてくれた小出社長、同僚などたくさんの方に助けてもらったので、ここで頑張ることで恩返ししたいですね。
――鈴木さんの言葉にはパワーがありますね。移住を考えていながら踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。移住の先輩として、この場所で働き暮らすことについてどう感じますか?
田舎って聞くと、住みづらく不便だと考えるかもしれません。でも今の時代は、ネットがあれば何でもできますから。あまり深く考えすぎず、まずチャレンジしてみてほしいです。飛び込んで5年無駄にしたと思っても取り返しはききますし。そもそも無駄にはならないですからね。どんな経験も今後の人生にいい影響を与えてくれると思っています。
想いはあるけど、踏み出せないという人も熱意を持って飛び込んでみましょう。人生、意外となんとかなります。何もしないよりはまずは勢いで、来てみてほしいです。
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今回のインタビューは、青く澄んだ空、心地よい海風が肌をかすめる初夏に行われました。この陸前高田の自然のなかで伺った、鈴木さんの言葉「まずは最初の一歩だけいい、踏み出してみることが大切」が心に響きます。
「人の交流が生まれる場所にしたい」という想いを実現する仲間として、この場所ではじめの一歩を踏み出し、新たなチャレンジをしてみませんか?