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陸前高田市米崎町。国道45号線を道の駅高田松原から大船渡方面に走ると、左手に「食堂カフェ&クレープ」と書かれた建物が目に入ってきます。食堂カフェ仙華園・クレープ仙菓園は、岩手県の食材を80%以上使用するいわて地産地消レストランに認定されたお店です。
食堂カフェ仙華園・クレープ仙菓園では、調理補助や接客を担当するスタッフを募集しています。
仙華園の外観写真
3つの「せんかえん」
仙果園・仙華園・仙菓園―
どれも読み方は同じ「せんかえん」ですが、それぞれの役割が違います。
「仙果園」は、明治14年から140年以上続く歴史あるりんご園のこと。仙果園のりんごは、海風と太陽の光で栄養価が豊富です。「仙華園」は、食堂カフェとして定食や丼もの、ラーメンなどを提供しています。また、「仙菓園」では、主にクレープを提供しています。
5代目の吉田宏さん
りんご園からカフェへ
現在、店主をつとめるのは5代目の吉田宏さん。なぜ、りんご園から全く違うジャンルである、カフェ営業をはじめたのか聞いてみました。
「陸前高田市に台風が来て、りんごがかなり駄目になってしまった年があったんですね。そこで、安定した収入があった方が良いな…ということになりました。」
震災前の陸前高田市にあった、アバッセたかたの前身「リプル」の立ち上げに合わせて準備をはじめた吉田さん。計画は、地域最大のショッピングセンターをつくるというものでした。吉田さんは、自身がアメリカに行った際に見た、路面店のサーティワンアイスクリームに魅力を感じました。当時、まだサーティワンアイスクリームは岩手県には無かったため、東京の本部に直談判。前向きに話が進んでいたそうです。
しかし、計画が大幅に変更となり、当初目指していた地域最大規模が縮小することになり、サーティワンアイスクリームも縮小された規模での出店は難しいという結論になってしまいました。
「サーティワンは無理ということになってしまいましたが、ファストフードのお店は引き続きやろうということで、クレープを出すことに決めました。そこでさらに、一緒にやるはずだったラーメン屋さんが大船渡に行くことになりまして…ラーメン屋が抜けてしまったから、ラーメン屋もお前がやれと言われました。やったことは無かったんですけどね。」
全くの業界未経験からのスタートを切った吉田さん。そのバイタリティには、驚きを隠せません。元々りんご園、農業に従事していた吉田さんは、提供する料理も地元でとれたものを、健康に良いものを提供したいという思いで、現在のお店を営業しています。
種類が豊富で様々なメニューがならぶ
コロナ禍を経て、人材の募集
食堂カフェ仙華園・クレープ仙菓園は現在、正社員2名、パート2名の4名体制で経営しています。この職場で働くには、どんな人が向いているのか聞いてみました。
「お仕事は多岐にわたりますが、主にお願いしたいのはホールでの接客です。うちは子どもからお年寄りまで、かなり幅広くご来店いただくので、元気に明るく接客対応ができる方だと働きやすいと思います。今の職場は私以外全員女性ですが、男女関わらず歓迎します。土日も入れる方だと、なおありがたいですね。」
募集する調理・ホールのお仕事のほか、ジャムやドライフルーツなどの加工品も製造しているため、場合によってはそちらもお手伝いいただく可能性があるそうです。また、現在は時短勤務であるスタッフの都合で営業が16時までとなっていますが、人材さえそろえば以前はやっていた夜営業もやりたいと話されていました。
仙華園の店内。テーブル席も多く、家族連れも多い。
地域貢献活動にも精力的に参加
吉田さんは、市民有志の団体「MIこども食堂実行委員会」の会長もつとめています。仙華園を会場としながら子ども食堂を運営しようというもので、月1回を目途に開催する計画です。将来的には、隣接している米崎地区コミュニティセンターも会場として借りながら、食べる前に一緒に遊んで交流する場も設けていきたいそうです。みんなで一緒に「いただきます」をしてご飯を食べるというコンセプトのもと、精力的に活動しています。開催当日のボランティアも募集しているということなので、興味がある方はぜひお問合せください。
クレープを焼いたり、加工品の製造をしたり。旬のものをつかった料理もあります。世の中にカフェは沢山ありますが、仙華園のような形式の店は、他にはなかなか無いのではないでしょうか。仙華園の仕事は、様々な体験から貴重な経験が得られる、そんな職場になりそうです。
バイタリティのある吉田さんとともに、一緒に働いてみませんか?
Text:清水 健太