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「陸前高田ほんまる株式会社(以下、ほんまる(株))」は、陸前高田の新しい中心市街地の魅力を高めるために設立された「まちづくり会社」です。
陸前高田の新しい中心市街地を、もっと面白くしたい!という想いで日々活動しています。
今回の求人では、にぎわいのあるまちづくりを“一緒に面白がり、楽しめる方”を募集します。
まちの声を聞き、その声からできることを探していく
募集にあたり、ほんまる(株)について、代表取締役の磐井正篤(いわいせいとく)さんに、お話を伺いました。
「陸前高田の中心市街地は、東日本大震災で一度は壊滅状態になり、人がいなくなった場所です。事業を通し、ここに新しいまちを作って、多くの人に来てもらおうと考えています。お客様が増えれば『商売を始めよう』と考える人や『ここに住みたい』と考える人が増えて、にぎわいも増してくるでしょう。お客様を呼び込むだけのにぎわいではなく、子どもたちが遊んでいても安心・安全で、かつ便利さもある。そんな“優しいにぎわい”があるまちを目指しています」
磐井さんが大切だと考えるのは「地域のみんなで、時間をかけてでも、いいまちにしよう」と共に進もうとすることです。
「陸前高田は決して大きなまちではありませんが、それが逆に人と人との距離を近くしています。結果が出やすいし、新聞に掲載され見てもらいやすい。みんなが自分の役割を持つことができる。小さなまちだからこそ、大きなメリットはたくさんあると思います」
ほんまる(株)の事業全般と今回の採用を担当する、種坂奈保子(たねさかなおこ)さんにもお話を伺いました。
「仕事内容は多岐にわたります。決まった仕事をこなすのではなく『今、必要だ』と思うことを見つけて、それを一つ一つ実現していく感じです。まちなかの商店主さんたちは、震災後にリスクを背負って事業の継続を決めた方々です。いきなり自分で思いついたことをやるというよりは、 商店主さんの声をよく聞いて、どんなことができるかを考えていく感じですね。そのために、まずはまちを知ることがスタートだと思います」
まちづくりを立派なものに感じたり、大きなことを成し遂げようと身構える必要はないと続けます。
「陸前高田愛があるとか、にぎわいのために何かしたいという気持ちがあれば十分。まちの人に会ってお話ししてみると、やってみたいことや必要なことが見えてきます。人と話すことが好きで、面白いことを一緒に楽しめる人には向いている仕事だと思います。商店主さんたちは、本当にみなさん面白い人ばかりです!」
3つの事業を中心に、多角的にまちを盛り上げる
ほんまる(株)は、主に「エリアマネジメント事業」「指定管理業務」「広報・デザイン事業」の3つの事業に取り組んでいます。
「エリアマネジメント事業」は、まちなかの活性化につながる取り組みとして、イベント企画やレンタル用品貸出、任意団体「高田まちなか会」の運営サポートなどを行っています。
まちなかで開催されるイベント「ほんまるまるしぇ」
「指定管理業務」とは、まちなかにある施設の管理を行う事業です。建物の維持管理、そしてまちなかに関する相談対応など、幅広いサポートが含まれます。
管理施設「まちなか広場」で開催した屋外の映画上映会
「広報・デザイン」の案件も受け、ウェブサイトやチラシの作成などのデザインも手がけています。種坂さんがデザインしたチラシ
自分自身の可能性に気づくことができた
種坂さんは愛知県の出身で、2011年11月に陸前高田へ移住をしました。移住当時の経験を教えてくれました。
「私が名古屋で仕事をしていた時は、社長は、なかなか会えない存在だったし、会社の売上や成長が最優先というイメージでした。でも陸前高田には、社長(商店主)さんが身近にたくさんいました。みなさんが地域や次の世代のことをすごく考えていて、それを行動に移していることに、すごくびっくりしました。
陸前高田に来てから、まちの社長さんたちとたくさん話しました。みなさん、私のような移住者の話を聞いて、自由に活動をさせてくれました。市内を縦横無尽に動いたりして、大企業ではできなかった働き方ができて、すごく楽しかったんです。社長さんと知り合いになって、一緒に食事をしながら聞く話がとても面白かったです。名古屋の生活では想像すらつかないことでした」
種坂さんは、名古屋で働いていた頃「仕事は辛くて当たり前」と、心身が疲へいしても疑うことがありませんでした。陸前高田では働きすぎることなく、プライベートも充実しているそうです。
「仕事が終われば、家族で美味しい食事を楽しんだり、休日はキャンプに出かけたりしています。こんな時間の使い方は、陸前高田に来てできるようになりました。他の社員たちにも残業はしないでと伝えていますし、仕事を楽しんでほしいと思っています。過去の私のように社会に疲れてしまった方は一度、陸前高田に来てみることをおすすめします!」
楽しそうだと思ったら「とりあえず」動いてみて
業務上必要となるスキルについて伺いました。
「パソコンの基本操作ができること、slack(スラック)などのチャットツールを抵抗なく使用できることが望ましいです。ただ、分からないことは検索などをして解決ができれば問題はないです。2年程度の社会人経験が必要、としているのは、新卒者向けの研修が十分ではないからです。仕事で得た知識や経験、つながりを持ち込んでもらえたら、嬉しいですね」
磐井さんは
「都市の大企業の一部として動くよりも、小さな地域だけど、地域作りのエンジンとなって自分が直接動かして、形になっていく実感が得られる。そんな面白い仕事だと思います。必ずしもクリエイティブな仕事だけではなくて、実は地味な仕事がほとんどです。でも、頑張っていれば地元の人々がちゃんと見てくれていて、応援や感謝されることも多く、とても魅力的な仕事だと思います。その一つ一つが、やりがいになるかな。逆に給料だけキープできればいいという方には向かないかもしれませんね」
種坂さんは
「まちづくりを難しくとらえすぎないで」と自身の経験に重ねます。
「移住前、ボランティアで来ていたころの私は『大それたことはできない、簡単な仕事でいい』と思っていました。でも、市内の社長さんとお話しして、とりあえずでいいから、と言われて動き始めたら、私にもできることはたくさんありました。
だから、とりあえず問い合わせてみるのでも大丈夫です。履歴書ができていなくても、申し込む前のちょっと気になるという段階でもいいです。職場訪問オンラインみたいな感じでつないでもいいですし。評価する側・評価される側ではなく、飲み屋で隣になったお姉ちゃんだと思って聞いてもらえれば(笑) あまり難しく考えずに『面白そう!やってみたい』と思ったら、とりあえず気軽にご相談いただけたらと思います」
心が動いたら「とりあえず」動くことを大歓迎しているそうです。たとえ小さな最初の一歩でも、それがまちづくりの大きな原動力につながっていくのではないでしょうか。
ご応募をお待ちしています。
Text:板林 恵